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2011年1月22日 (土)

【新聞掲載】都政新報に掲載されました(1月21日)

江戸川区の児童虐待事件から1年 ―対策に「子供の視点」を

都政新報 2011年1月21日

若者がアンケート調査

江戸川区立小学校1年生の岡本海渡君が両親の虐待を受けて死亡した事件から23日で1年を迎える。海渡君から発信されたSOSに気付きながら、区や学校、児童相談所が連携を怠り、最悪の結果を招いた。区は、子ども家庭支援センターの人員増強など対策を進めるが、草の根運動を行う若者らからは「もっと子供の視点を取り入れるべき」という指摘が出ている。

「子供の声に耳を傾けてください」――。

昨年12月28日、多田正見江戸川区長に4人の若者が面会し、こう訴えた。事件を受けて昨年3月、区内在住の高校生や大学生らが中心となって「チームあさって」を結成。子供の視点で児童虐待の防止や対策などを考えてきた。昨年5月から18歳以下を対象にしたアンケート調査結果とともに、思いを区長にぶつけた。
アンケートには、区内に住む子供など約千人が回答した。開始当初は、子供や保護者から不審な目で見られることもあったが、子供の遊び場に足しげく通い、回答を集めた。
悩みの相談相手として多かったのは「友達」「家族」で、3番目に多かったのは「誰にも話さない」だった。「学校」や「先生」を挙げる子供は少数だった。担任教諭やスクールカウンセラーには「友達にばれるのが恥ずかしい」「信頼できる人なのか分からない」などの理由で、「相談しない」という子供が多かった。公的機関には「相談できることすら知らない」という回答が圧倒的で、周知が進んでいない実態が浮き彫りになった。
「チームあさって」を結成から支援する市民団体「江戸川子どもおんぶず」の大河内秀人代表は、「学校や行政と子供が信頼関係を構築できていないのが実情。SOSに気付くにも限界がある。子供に『大人に話しても聞いてくれない』と思われてはいけない」と警鐘を鳴らす。
区は今年度から児童虐待の初期対応を担う子ども家庭支援センターの体制を8人から15人に増員。10年4月から10月末までの相談対応件数は、前年に比べて焼く1.7倍の454件に増加した。
児童虐待防止ガイドも改定し、関係機関に約3千部を配布。「同じ服装が多い」「食事をむさぼるように取る」など20項目を例示したシートを付け、子供のSOSを見落とさないよう、工夫を加えた。虐待リスクの高い10代や精神疾患を持つ妊婦への支援も強化した。
最大の課題に挙げた関係機関との連携では、対応したケースごとに、学校や保育園、民生委員らに1カ月以内のスパンで「安全確認報告書」の提出を義務付けた。関係機関によるケース検討会議も、今年度上半期で39回実施。前年度の2倍のペースだ。
しかし、子供のSOSをどう引き出すかは、依然、課題が残る。大河内氏は、「例えば保護について、子供は、どうして自分が悪くないのに、よそに移されなければならないのかと、疑問に思っている。友達と離れたくない、親をよそに移してくれと。子供には、大人にない発想がある。子供の意見を聞く姿勢を持って欲しい」と話す。

20110121b

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